2016/07/29

 

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エッセイと随筆の構成

 身近な短文としてエッセイと随筆がある。詩歌としては、短歌と俳句がある。

 エッセイと随筆、見た目は殆ど同じだが、各々に異なった名称があり、辞書にも特段の違いは書かれていない。

 特段の違いがない文体に、何故に異なる名称が併記されて居るのか?

 然し現実には、文体名称として、(エッセイ)と(随筆)があり、殆ど同じ文体に違う名称がある。

 依って名称の違いと文体の違いを明らかにする手段として、(エッセイ集)と(随筆集)を対象に、それぞれの文体と著述内容を並列し、比較を試みた。

 執筆を為すに当たって、著者は何をどの様に書くのかを列挙すると、(著者本人の情)、(著者の経験)、(著者の知識)の三点が上げられる。

 著者は、これら三要件を、唯漠然と書き連ねる訳でない。著者の陳べようとする趣旨の下に、より効果的な構成を為して、作品を完成させる。

 私は以下の如くに、エッセイと随筆の違いを知った。

☆ エッセイは著者の情に基づいた観念を主幹とし、その観念を陳べるために、経験と知識を補完材料として使用し、標題 〈思い〉を自分に向かって(内に向かって)筆を進める

☆ 随筆は著者の知識に基づいた観念を主幹とし、その観念を陳べるために、経験と著者の情を補完材料として使用し、標題 〈思い〉を社会に向かって(外に向かって)筆を進める