第3日目

 シャトル便(乗合飛行機)でマドリッドへ向かうために、8時45分ホテルを出発。路上駐車が実に多い。酷いのは交差点の中にまで駐車している。飛行場はとても奇麗とは云いがたい。10時45分機上の人となる。所要時間1時間。マドリッドに到着。

 先ずは市街を通過。遺産と言う事で遺して有るのだろう。古い建物が其の侭残る。現地人はこれからもっともっと暑く成るので今から半袖ではこの先が持たぬ。半袖シャツに半ズボンに帽子姿は観光客だそうだ。道端の売店で観光客相手の商品が置いてある。スッポンポン丸だしの写真集が公然といっぱい売っている。男は馬鹿だなあ!

 地震が希と言う事で、日本の建造物と比べて格段に低い強度の古い建造物が其の侭残る。でも古い建物は住み難いだろうなあ!ギネスブックに載っていると云う、古いレストランに行く。ギネスブックと言うから、古いことは当然としても、それなりに大きいのだろうと思ったら、間口の狭いチンケなレストラン。

  狭い階段を昇り二階に行き、隅のテーブルに着く。生後3週間の子豚の蒸し焼き料理。ワイン。大蒜スープ(バカスープ)。冷やしチーズケーキ。パン。

 生後3週間というのは、まだミルクしか呑んでいない子豚と言う事で、ミルク臭さ(ミルク臭さを消すためのバカスープだろう)は残るが、筋肉が未発達で肉が柔らかい。同じものは日本にもあるが、同様に生後間もない家畜と言えば、犢(こうし)や子羊料理もある。ただこれ等の家畜は大きすぎて厨房での取り扱いに不便なので、バラ肉で取引されていて、全姿として一般人の目に触れることはない。

 市街からちょっと離れた小高い丘に王宮がある。現在の王家は別の処に居住して居るそうだが(旧式すぎて居住は出来ない)、行事用には使用して居るそうで、日本の天皇皇后両陛下のご臨席も有ったそうである。2千余室(記憶が定かでない)有るという。外見は小さいが中に入ると、とてつもなく大きい。全部石造りで夏は住み良いが冬は冷たいだろうな!

 内装や調度品はこれでもかこれでもかと贅沢の限り。美辞麗句を付ければ色々あるが、所詮は侵略の戦利品で作った王宮と言う事だ。だがこれも悪い面ばかりとは云えない。湯水の如くお金を使う人が居ないと、こんな芸術品は造れないし、職人が育たないと云う事だ。

 ちょっと現在の日本に目を移すと、この頃バカ儲けをする人が極端に少なくなって、実利品は旺盛だが、手間ひまの掛かる職人業がサッパリ需要が無くて、後継の職人を育てられなく成っている。長年に亙って積み重ねられた高度な技術が途絶える危機に直面している。平均化するのは良いことだが、バカ儲けをする人も必要だ。

 レイナ・ソフイア芸術センターを見学。現代的な立派な美術館。内部は迷路のようで道にはぐれたら出るのに一苦労。ミロ・ピカソの作品を重点に見て回る。どうも芸術には疎いので、ボロを出さぬ中に筆を措く。

 夕食はホテルの食堂で。スペイン人はプリンが好きと見えて、甘い甘いプリン。伸びきったスパゲッテイ。白身魚のフライ。パン。乳製品。生ハム。等など。何れにせよ油がとても多い。いつもワインが付いているのは胃がもたれない為のものかも知れぬ。野菜としては、葉ものと果菜。何れも痩せ地で作ったと見えて、形は美味しそうでもとても堅くて味は非なるもの。

 車窓の景。古い建物ばかりでなく新築の建物も、柱が実に細い。間仕切りは中空の煉瓦で積む。水絲を使っていないので上手には積めていない。だが見方によっては器用とも云える。雨が少ないと見えて雨仕舞は良くない。雨樋が無い。あとは次の項に譲ろう。

 此処には生コン車とポンプ車が無いので(目撃することはなかった)、現場練りをしてクレーンを使いバケットで打設をしていた。この場合は品質にばらつきが出て、期待する強度の建設は出来ない。

 市内観光・マイヨール広場・プエルダデルソン・レイナソフイア芸術センター・シーベレンスの噴水・アルカラ門・スペイン広場

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美術館内の展示物

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間仕切り用の中空煉瓦

 

 

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 12階建てビルの骨組み 鉄筋は4分筋(日本なら二階建てほどの配筋) 強度は極端に低い。日本なら出来上がらない前に潰れてるぞ!

 

 

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王宮中庭


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道路中央に車線変更指示の矢印

 

 

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  山と谷が別々の屋根瓦 雨樋がない